Novel

『タツモリ家の食卓(1)〜(3)』

『タツモリ家の食卓(1)〜(3)』古橋秀之/電撃文庫/メディアワークス ISBN:4840215197 ISBN:4840216134 ISBN:4840217130 古橋秀之が電撃のライトユーザー層へと訴えるべく取り組んだ意欲作。 要はいつもの奴ですね。ところで4巻はいつですか。これも黒歴史か…

『暁の女神ヤクシー(1)〜(3)』

『暁の女神ヤクシー(1)〜(3)』小林めぐみ/角川スニーカー文庫/角川書店 1巻.ISBN:4044155135 3巻.ISBN:4044155151 しびれた。 何がしびれたかというと、SFとも言える設定でも、ファンタジーの要素でも、SF・ファンタジーの融合でもなんでもない。そういっ…

試論:ライトノベルはレーベルでもイラストでもない。 前説

ということで、そんなことを、しょーこりもなく書いてみる。 書く内容は、以前に書いた『「ライトノベル」との距離感』の再考に過ぎません。 『「ライトノベル」との距離感』を要約すると、ライトノベルっつーのはジャンルと呼べず、現象であるんじゃねーの…

『ねこのめ(1)〜(3)』

『ねこのめ(1)天秤の錯覚』『ねこのめ(2)羅針盤の夢』『ねこのめ(3)六分儀の未来』 小林めぐみ/富士見ファンタジア文庫/富士見書房 1.ISBN:4829124482 2.ISBN:4829124709 3.ISBN:4829124822 すばらしい。 書影はこちらでどぞ。 まぁ普通にSFっちゃSFとして…

『バッカーノ! 1931 鈍行編』『バッカーノ! 1931 急行編』

『バッカーノ! 1931 鈍行編 The Grand Punk Railroad』成田良悟/電撃文庫/メディアワークス 『バッカーノ! 1931 急行編 The Grand Punk Railroad』成田良悟/電撃文庫/メディアワークス あー、くだらねぇー。 というわけで、おもしろかったです。 成田…

『神栖麗奈は此処に散る』

『神栖麗奈は此処に散る』御影瑛路/電撃文庫/メディアワークス ISBN:4840232679 実によく出来た話でした。それはただ単純な「面白さ」へは繋がっていませんが、それはそれで狙ってきているところだな、という一作。 なんというか「神栖麗奈」という、ある…

『超妹大戦シスマゲドン(1)』

『超妹大戦シスマゲドン(1)』古橋秀之/電撃文庫/メディアワークス ISBN:4757725515 古橋秀之がやってくれました。 なんだこれ。大笑いした。 というわけで、設定とか、使ってるガジェットとか、本気でどうでもいいくらい、さわやかな本が現れました。 とり…

『神様家族(7) 新型握手』

『神様家族(7)新型握手』桑島由一/MF文庫J/メディアファクトリー ISBN:4840114536 いや、参った。何が参ったって、すっげぇ楽しめた。 なんというか、これ、本作った関係者みんなで楽しんでるだろ。挿絵とか挿絵とか挿絵とか。本文中のギャグを、イラスト…

『カレとカノジョと召喚魔法』

『カレとカノジョと召喚魔法』上月司/電撃文庫/メディアワークス ISBN:4840228299 これは案外、面白かった。 なんというか、ミステリ的な構造のライトノベルにおける正しい使い方というかなんというか。 黒雨は過去に『12月のベロニカ』を、リーダビリティ…

『神栖麗奈は此処にいる』

『神栖麗奈は此処にいる』御影瑛路/電撃文庫/メディアワークス ISBN:4840232385 まぁ面白かったっちゃ面白かったけれどさ。 構成なんかが前回と比べて小説的になっていてよかったですよ。小説で読む価値があったなぁと思います。 神栖麗奈という存在という…

『食卓にビールを(5)』

『食卓にビールを(5)』小林めぐみ/富士見ミステリー文庫/富士見書房 ISBN:4829163321 いつも通りに日常がSFなのかSFが日常化したのか、ごちゃまぜのよくわかんない具合が面白い話でしたが、読んで感想を書かずにスルーするにはちと、ね。 どうでもいいけれ…

『ネコソギラジカル(中)(下)』

『ネコソギラジカル(中)(下)』西尾維新/講談社ノベルス/講談社 終わらせたのは英断と認めるけれど、面白いとは言えません。 というのもですね。何というかなぁ、黒雨の意見なんですが、西尾維新はエンターテイメントではなく、ライトノベルになりすぎてダ…

『封仙娘娘追宝録(9) 刃を砕く復讐者(下)』

『封仙娘娘追宝録(9) 刃を砕く復讐者(下)』ろくごまるに/富士見ファンタジア文庫/富士見書房 ISBN:4829117591 出たよ。ついに。 というわけで、久々に本当に久々の夏ですね。今まで夏がなかったのが不思議ですね。夏がない間に黒雨さんは大学生になって…

『ボクのセカイをまもるヒト』

『ボクのセカイをまもるヒト』谷川流/電撃文庫/メディアワークス ISBN:4840232067 やっべ。何がしたいのかぱっと見わからない。 というわけで、谷川流はガチで買う黒雨ですが、何がわからないって、今回の新作はガチでわかんね。何がしたいのか。んで、こ…

『パラケルススの娘(2) 地下迷宮の王女』

『パラケルススの娘(2) 地下迷宮の王女』五代ゆう/MF文庫J/メディアファクトリー ISBN:4840114269 マジでか。 五代ゆうといえば、なんつーか、これライトノベルでやらなくても、と言いたくなる位の緻密なハイファンタジーをやらかすから遅筆という印象があ…

ライトノベル短編論

ライトノベルには短編集がない。 なんでか短編集ってライトノベルでは出てこないんすよね。シリーズものはあってもさ、『眠り姫』とか『ある日、爆弾がおちてきて』みたいな短編集ってほぼないんすよ。 それを考えると、逆の手法ですばらしいと思うんですが…

『ある日、爆弾がおちてきて』

『ある日、爆弾が落ちてきて』古橋秀之/電撃文庫/メディアワークス ISBN:4840231826 古橋秀之というだけでもう満足なんですが、ノンシリーズの短編集ということでさらに楽しみました。 あとがきでひどく分かりやすく書いているのですが、これは概ね時間を…

『世界の中心、針山さん』

『世界の中心、針山さん』成田良悟/電撃文庫/メディアワークス ISBN:484023177X 成田良悟の連作短編シリーズ。 あれですね。ある種ブギーポップ的ですよね。 何がかというと、ブギーポップでは、連作長編ですが、それぞれの世界の背景に「ブギーポップ」的…

『電撃!!イージス5 Act.Ⅱ』

『電撃!!イージス5 Act.Ⅱ』谷川流/電撃文庫/メディアワークス ISBN:4840231737 だからさ。谷川流はキャラは書けるけれども、別にキャラものに向いている訳ではないんだって。 というわけで、徹底的なキャラものなんだけれど。ほらこれって『電撃萌王』掲載…

『キノの旅Ⅸ』

『キノの旅Ⅸ』時雨沢恵一/電撃文庫/メディアワークス ISBN:4840231729 あっはっは。ブラックな短編はやはり楽しいねぇ。 久しぶりにとても原点回帰した気分です。 なんというか、キノの旅はある種の寓話的なところがあって、訓話的ではないんだ。人のダメ…

『三月、七日。 〜その後のハナシ〜』森橋ビンゴ

『三月、七日。 〜その後のハナシ〜』森橋ビンゴ/ファミ通文庫/エンターブレイン ISBN:4757721005 上に書いた『三月、七日。』の感想に全く持って内容について触れてないんだけれど、それはいつもの黒雨の感想の書き方の定型文であって、まったくもってユ…

『三月、七日。』

『三月、七日。』森橋ビンゴ/ファミ通文庫/エンターブレイン ISBN:4757718357 というわけで、森橋ビンゴの『三月、七日。』です。桜庭一樹の『赤×ピンク』と時期的には近いような記憶があるけれど、調べる元気はありません。 記憶によれば、森橋ビンゴと桜…

『聖竜伝① 竜の眠る大地』

『聖竜伝① 竜の眠る大地』冴木忍/富士見ファンタジア文庫/富士見書房 ISBN:4829116951 あー。うーん。えーっと。うん。 冴木忍らしいのに、冴木忍らしさが欠けている。なんだろう、このこそばゆさ。 というか、連載なのか、これ。 冴木忍と連載ほど似合わ…

『All You Need Is Kill』

『All You Need Is Kill』桜坂洋/集英社スーパーダッシュ文庫/集英社 ISBN:4086302195 ああ、よかった。面白かった。 時間ループものに、説明とも取れぬ説明、って要はそれは作品内でのルールとも言うべきものなんだが、それをきっちり説明した上で、要所…

『ぴよぴよキングダム(3) あかりの国のあかり』

ISBN:4840114196 完璧に茗荷屋甚六の作品と化してますね、これ。 なんというか、いい加減、てめぇらこのゲームをやんなさい。 ASIN:B00019P6I6 『Forest』ライアーソフト 茗荷屋甚六がサブで書いていますので。ここらへんが源流と考えれば、木村航は凄くわか…

『食卓にビールを(4)』

『食卓にビールを(4)』小林めぐみ/富士見ミステリー文庫/富士見書房 ISBN:4829163178 山椒は小粒でぴりりと辛いんです。 というわけで、出ましたね4巻。 もはや解説不要なこのシリーズですが、小林めぐみはゆるゆる楽しんでいるみたいなので、もうそれを楽…

『わたしたちの田村くん(2)』

『わたしたちの田村くん(2)』竹宮ゆゆこ/電撃文庫/メディアワークス ISBN:4840231524 ああああ。もう、楽しいなぁ。 というこのシリーズなのですが。 このシリーズの顕著なる特徴としては、キャラクター以前にシチュエーションに徹底的に拘っているという…

『涼宮ハルヒの陰謀』

『涼宮ハルヒの陰謀』谷川流/角川スニーカー文庫/角川書店 ISBN:4044292078 ひどいひどい。 谷川流の中では、おそらくこの話はもう収束させたかったんだと思うが、アニメ化やらなんやらで、書かざるをえなくなってしまっているのではないか。 いきなり中途…

『銀盤の妖精達〜蕾、淫華開く時〜』

『銀盤の妖精達〜蕾、淫華開く時〜』稲葉深緑/パンプキンノベルズ/イーグルパブリッシング ISBN:4861460735 これはどう捉えればいいのやら。 というわけで入手したのだけれどその際に「ひどいひどい」と言われて読んだら、ひどかったのですよ。うん、ひど…

『彼女は存在しない』

『彼女は存在しない』浦賀和宏/幻冬舎文庫/幻冬舎 ISBN:4344404416 昨日書いたように、これを読んでると、Aphex TwinとかOrbitalとかUnderworldとかその他諸々を聴きたくなって、ちっとも進まないの。 進まない癖に、最初の数段落で、話のオチがすぐわかる…