『鈍色の青春』

「鈍色の青春」野狐禅/スピードスターレコード/ビクターエンタテインメント
  ASIN:B0000QWYBC
 
 UNDER17と同時に購入するという訳のわからない行動を取ったのですが、衝動買いして良かったと手放しで褒められるアルバム。
 各曲ごとに語ると長くなるので総評だけ。
 全体を通してハーモニカやギターといった楽器でバックグラウンドを作っているけれど、ボーカルとバックグラウンドが奇妙な一致をしているのだ。通常のサウンドではなく、剥離しているようで一体化している雰囲気。カラオケなどで歌いにくい種類のものなんだが、それでもバックグラウンドでボーカルの音程がカヴァーされていないかと言ったらそうではない。きちんと一体化している。
 ボーカルの歌い方も特徴的だ。語るような歌い方、という形容詞はよく言われるが、このボーカルは歌うように語っている。もちろん、歌っているフレーズも多いんだけど、叫びになっていたり語っているようだったり、ボーカルの音程なんか楽譜になってないんじゃないか、と疑うような曲作り。
 それがものすごく良い味を出している。歌詞を見れば一発だが、そんな歌い方のために作られている曲だ。
「拝啓、絶望殿」「自殺志願者が線路に飛び込むスピード」、「鈍色の青春」「少年花火」なんかがオススメ。