『東京23区推奨オモイデ収集袋』

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 今回のアルバムと前作とでは方向性がなんかちょっと違うね。
 今回のアルバムは前向きな歌詞を後ろ向きに歌っている感じです。決して前向きな歌詞と言い難いんだけど。
 聞いてて、野狐禅の魅力を削いでいると感じたのは2曲目「フライング蝉」のアレンジです。待てと。曲調とか歌詞とか野狐禅独特のあれなんですが、アレンジがやけに軽くてポップな感じなんです。違うぞと。野狐禅は「弾き語り、ハード。」なんでしょ。なんか弾け飛べるものを小さくまとめているようなアレンジだと思います。いい曲なんだけど。とても好きな曲なんだけど。ライブで聞いたら凄く楽しいと思うけど。でもCDではちょい不満。
 10曲目の「泪橋」でも似た曲調を感じたけど「泪橋」は逆にこれでオッケーな感じになってるので、音楽って不思議。
 あと3曲目の「東京紅葉」と11曲目の「ぐるぐる」はアルバムバージョンです。アルバム全体の雰囲気に合うように歌い直しているけど、絶対シングルバージョンの方がいいです。シングルを聞くべきだと思うのです。
 まぁそんな不満点はありますが、十分に楽しめますよ。
 「札幌処刑台」なんてものすごく大好きです。あの振り絞るような歌い方が、今回のアルバムの一番の目玉だと思うのです。
 なんというかちょっと気になった点をつらつら書いたけど、大好きですから、野狐禅