萌えを探す。

 黒雨は実は「萌え」という概念を実感として感じたことはまったくないのです。累計的というか統計的というか、なんとなくで「そういうもの」として捉えているけれど、残念ながら黒雨自身はそこに至らない。
 だからこそ、黒雨は「萌える」ものを探し求めているのかもしれない。
 
 どちらかというと分類するならまぁ「おたく」側だと思うんです、自分のことを。それもそういうタイプの。んで、そういうものをやっぱり消費している訳ですよ。なのに黒雨は「萌え」というものを楽しむことはやっぱり出来ないんです。
 黒雨って2次元だろうが3次元だろうが平等にどうでもいい、って思う枯れた感性の持ち主だからね。でもそれじゃあおたくやっててつまんねー訳ですよ。なんか色々なエロゲー感想サイトを巡って巡って『シナリオはつまらないがこのキャラが生きてる。このキャラ以外には何もいらない』というような類型的な感想を読むたびに、その感性を羨ましいと思うのですよ。
 この枯れた源泉から再び水がわき出てくるような、そんなものを求む。求む? 求めていいの?
 
 ……なんかまずい気もする。