『パラケルススの娘(1)』

パラケルススの娘(1)』五代ゆうMF文庫Jメディアファクトリー
  ISBN:4840112630
 
 さてさて、五代ゆう先生の新刊が出ましたよ。
 そりゃあもう黒雨は五代ゆう好きですので。現公式ホームページになる前の旧ホームページに掲載されていた、デビュー前の短編小説や雑誌掲載された短編小説の一部、ダウンロードデータか印刷したもので持ってます。とても宝物。
 ええ、『<骨牌使い>の鏡』も『風と暁の娘 パンツァードラグーン・オルタ』とかは相変わらずまだなんですが。是非入手したいところ。
 
 そんな今作、いや、まぁ普通だったんだけれど、2巻以降に期待してます。元々、五代ゆうが一冊で、持てる魅力を出せるとは思えませんし。いや、短編は短編で上手いんですよ。でも長編書かせたらある程度の冊数分の長さがないと魅力が引き出てこない。文庫一冊分じゃ収まらない。そんな作家が五代ゆうだという先入観を持って黒雨は生きてます。
 さて、五代ゆうと言えば硬派なファンタジーを思い浮かべる人は少なくないでしょうし、実際に富士見ファンタジア文庫から出た三作は結構かっちりとしたファンタジーでした。
 ただ、五代ゆうの魅力はそこだけじゃねぇ。
 ユーモア混じりのもの、いけます。その魅力は過去「ドラゴンマガジン」に掲載されて旧ホームページに掲載されていた「鑑定士レオン」で証明済み。本になってないから「ドラゴンマガジン」探さないと読めないけれどさ。読んだの旧公式ホームページでだから1作しか読んでないんだけれどさ。
 今回の『パラケルススの娘』では、硬派なファンタジーというよりもそっちよりなのですよ。まぁMF文庫Jというレーベルでは、五代ゆうが富士見の初期で見せた硬派ファンタジーはないと思っていましたが。
 それにしても、期待しちゃうよなぁ。今回は作者があとがきで書いていたように登場人物が出てきただけなのだけれど、この登場キャラで次作に臨んだら、そりゃあもうコミカルなファンタジーになってくれるだろうなぁ。ああ、楽しみでしょうがない。
 キャラクターの掘り下げを初手で出したからには、もう突き進んでくれるんだろうなぁ。
 
 なにはともあれ、癌手術から1年経ったほどだそうですけれど、着々と仕事をなされているようなので、なによりなのですよー。復帰後2作目ですかね、これが。勘違いだったらすいませんが。復帰ばんざーい。