『狂乱家族日記 壱さつめ』
『狂乱家族日記 壱さつめ』日日日/ファミ通文庫/エンターブレイン
ISBN:4757722907
刊行時より話題になってましたね。
でも、あくまでも作者である日日日の年齢とか、新人賞を同時にいくつも取ったこととかで話題になったけれどさ。その話題性が先行しすぎたような気もする。
作風は、最近結構出てきた、そういう系の作家のどれかを足して割ったりしたような、なんか適当なそれです。まぁ、そこらへんが完璧に突き抜ける作家なんていうのは、そうそういませんので、そこはいいです。
なんというか、若さ故の暴走というか、発想の勢いというのはありますね。まぁ若いし。んで、文章力とか、やっぱりこれは若さとの対比の面で評価されてしまっているんじゃないか?
まぁ、何かしら入ってしまっている先入観を取り除こう。
取り除いたら見つかるのは「磨けば光る原石」なんだけど、まだ光りきってないよね? 一部は既に光っている面があるから、結構見つけやすい原石でみんながこぞって「俺見つけたぜ」とか言ってるけれど、そのまま放置しても原石だよね?
ここまで取り上げる前に、まだもうちょっと、こう、あるじゃないか。
日日日は、発想力はかなりあるっぽいので、それを開花させたいと思わないのかね。同時受賞は凄いと思うんですが、それで同時にシリーズを一気に抱えて、潰されたりしたら困るじゃないか。せめて一本にしてくれないかな。
まぁつまらなかったと言えば嘘になるし、このシリーズは追うだろうけれど、このままだと若いからって使い潰されそうな予感がちょっとだけした。それほど、思いつく発想をあらん限り作中に詰め込んでるのは確か。
話題性に先行して著者のいいところが潰されなければいいのにって思いました。