『神栖麗奈は此処にいる』
『神栖麗奈は此処にいる』御影瑛路/電撃文庫/メディアワークス
ISBN:4840232385
まぁ面白かったっちゃ面白かったけれどさ。
構成なんかが前回と比べて小説的になっていてよかったですよ。小説で読む価値があったなぁと思います。
神栖麗奈という存在というか何かを軸にぐるぐるぐるぐるキャラクターが七転八倒していく様は痛快でした。電撃文庫でやんなくてもいーようなことをやってますね。
んで、電撃文庫でやんなくてもいいが、かといってどこへもいけなさそうだから、電撃でいいです。作者の力量の問題で、このテイストで別の舞台にもっていけるかどうかが勝負。別の舞台へ運ぶことは簡単そうだけれど、そうすると持ち味が一気に減るんですよね。
これって、少年向けをターゲットにしているからこその、面白さだから。
それはそうと、この作者は、このテイスト以外のものを書いて欲しいと思います。まぁ次作『神栖麗奈は此処に散る』はいいとして、その後。文体とか雰囲気はこれでいいんですが、テイストというかテーマというか。
相変わらず「文芸と呼んでいいかどうか迷う」というラインでかつ、どちらでもない小説なので、それがいいっちゃいいんですけれど、それはもう神栖麗奈の2作と前作『僕らはどこにも開かない』で十分なので、次が見たい。
楽しみと言えば楽しみなんだろうなぁ。そんな感じ。