『スケッチブック(3)』『スケッチブック 出張版』

『スケッチブック(3)』小箱とたん/BLADE COMICS/マッグガーデン
『スケッチブック 出張版』小箱とたん/BLADE COMICS/マッグガーデン
  
 はい、あのほのぼの4コマ第三弾。
 プラス同時発売で、ほのぼのショートストーリーです。
 
 正直、惰性で買ったんですが、予想以上におもしろかった。いや、もう予想外に。というか存分に。
 なんというかですね。
 この『スケッチブック』という作品世界は非常にスローテンポで、スローすぎてしょうがないんです。
 その分読み手が、ある程度の補完をしてしまうところも出てきます。そのために、惰性で読む感が出てきてしまっていたのですが。
 この3巻でようやくね、あれね。テンポがつかめた。
 
 つまりは「うさぎとかめ」ですよ。単行本派の黒雨は、うさぎのように、先読みして先に行ってて待ってた訳です。そうすると、かめがいつの間にかゴールしているんですよ。
 それ。
 いつのまにか『スケッチブック』のリズム・テンポが、円熟味を帯びて完成形になってるの。そのくせ、作品内の時間の流れが遅いせいか、ネタがある種の時間差攻撃となって、黒雨に降りかかってきて、あら大変。
 
 思わず笑ったよ。おもしろかった。
 
 んで、出張版側で、ショートコミックになってるんですが、こっちもなかなかよいね。出張版と銘打つだけあってか、連載だったのかなんなのか、注意深くは見てないから適当に書くけれど。
 スローテンポなはずの漫画が、一回一回で完結させようとして、すっげぇはっちゃけてるのが、すごい良い。
 なんというか背伸びしてる感じがとてもいい。とてもいいんです。ええ。
 
 そういうわけで、ひさびさに『スケッチブック』は大当たりだと確信したのでした。おしまい。