『PRINCESS WALTZ』

PRINCESS WALTZ』(PULLTOP
  ASIN:B000E7PABS
 金曜夜から土曜にかけて徹夜して終えました。
 なんというか、面白いは面白いですけれど。
 ただ、話の締めに対しては、前作をやった時ほどの感動はないなぁ。
 いや『とらかぷっ!』では、キャラごとの個別ルートをやり終えた後にでてくるシナリオで、個別ルートすべての平行世界を包括した上で、作品世界の本質を語るストーリーへ移行してたんですよ。そのシナリオ展開、すっごい好きなんです。
 今回は、本編上で作中にある「プリンセスワルツ」というシステムの根源にまでストーリーは及んでいるので、そういう意味では予定調和的な楽しみ方をする作品だったのかもしれません。
 それはそれで、十分に楽しめるんですが。そこらへんPULLTOPお家芸だと思っていたので、ちょっと個人的に期待しすぎました。別にそういうのなくてもいいけれど、PULLTOPなら入れるはずという先入観に踊らされてただけなのかも。
 
 ただ、本編をやって思ったのは「締めの言葉」が印象に残っていない。なんか「一歩を踏み出した」系の言葉だったんだけれど、ちょっと心に届かなかったよ。インパクトがないというか、ここで「締め」というよりも、一段落ついた余韻を味わうという意味でのラストだった。
 ただ、ラストで印象に残るインパクトは欲しかったなぁ。『とらかぷっ!』の締め言葉である「まつりがはじまるよっ!」っていう言葉のインパクトで一気にメーカーのファンとなった身としては。
 
 全体的なストーリーとしては、もの凄い少年漫画ですよね。やり終わった後『HUNTER×HUNTER』読みたくなって再読しちゃった。出てくる姫たちの能力が『HUNTER×HUNTER』の念能力というか、別に作品に限らず少年漫画にある特殊能力的なものがあって、ノリもそんな感じ。
 途中で第一部第二部のように一回話が途切れるんだけれど、あのキャラクター配置で『FFⅥ』を思い出した。ほら、『FFⅥ』だと世界が崩壊する前と後ってあるじゃん。崩壊後にキャラクターを探して仲間にしたりすんじゃん。そして新キャラも出てくるじゃん。だから、なんとなく。
 あと幼なじみいるのに、あまりストーリーに関わってこないよね。静姉ちゃんの方がストーリーに食い込んでますよ。これは時代が幼なじみより姉に来ているって事なのか。
 あと、まったくハーレムで終わっていないハーレムエンド。つーか、今回の個別ルートはどれを選んでも、エンディングで主人公はクリスとくっつくんです。個別ルートは、それをふまえた上でのもので、二股推奨しているとしか思えない。それ以上に個別ルートが個別ではまったくない。主人公である「新」とメインヒロインとの相思相愛が確定している状況で、エヴァ的に言えば「シンクロ率」なるものを高めるために、2号さんが必要になってくるんですよ。その2号さんを誰にするか以外はシナリオが分岐しないんすよ。 フラグ立て以降はその2号さんで基本的に戦わなきゃいけないだけで、ストーリーは大きく変化はしませんなぁ。ちょっとはあるんだけれど。
 んで、攻略可能キャラ全部でクリアすると、ちょっとしたシナリオが見れるんですが、あの描き方は、幼なじみが報われたようで、まったく報われてませんな。目立たなかった幼なじみが、主人公の元へ行って争奪戦に参戦する決意だけしてる。おうおう何角関係だそれ。
 
 まぁそんな感じだったんです。感想としては「悪くない」というところで、次回作である『遙かに仰ぎ、麗しの』に期待してたりします。
 
 ところで、どう頑張っても「第十三話」がないのは、仕様なんですかね。フルコンプのはずなのに、出てこないんですよ。
 数字を付け間違えたミスの可能性しか考えてないんですが。