『四月は霧の00密室』

『私立霧舎学園ミステリ白書 四月は霧の00密室』霧舎巧講談社ノベルス講談社
  ISBN:4061822446
 
 霧舎は肌に合います。硬い文章が苦手ですいません。苦手というかなんというか。エンターテイメントとして読むなら、これくらいがちょうどいいのです。
 ただ「漫画の要素をミステリに取り入れる」と息巻いていますが、方向性が違っている気がするんですよ。別に漫画の要素はラブコメとかそういうわけでもなく、イラストでもないと思います。
 要素というか、漫画から小説側に取り入れることができるのは、紛れもなく漫画と小説に共有してあるものからでしかないです。その上で、小説側が気づいていない共通項を引っ張り出してくるものだと思います。漫画的と言われることを狙っているのかもしれませんが、首をかしげさせてもらいます。

 あれは、漫画的というより、アニメ的です。さらに深めて言うなら、キャラクター的です。

 アニメといっても『serial exprements lain』などと言ったタイプではなくどちらかというと『ギャラクシーエンジェル』といったものの方です。
 なんというのかな、ストーリーとか、演出方法とか、そんな要素ではなく、キャラの建て方だけ漫画からとってきただけなんですよ。それを真新しいように言われても。んなのとっくにジュブナイルの一部では、やってることじゃないか。

 なんだかんだ文句つけましたけど、そういう編集側の帯文句とか、後書きでの霧舎の態度を抜かせば普通に好きな方なので借りた霧舎学園シリーズはさっさと読み切っておきます。