『七月は織姫と彦星の交換殺人』

『私立霧舎学園ミステリ白書 七月は織姫と彦星の交換殺人』霧舎巧講談社ノベルス講談社
  ISBN:4061823299
 
 どうせ2冊いっぺんに読むなら、六→七の流れじゃなくて七→八の流れで読みたかったんだけどね。
 ラブコメミステリという冠が全力であてはまるのは七月だと思うのです。今のところ。
 霧舎学園読んでて一番好きですね、この話が。
 いや、六月は凝ってましたけどね、内容として黒雨さんは、七月の王道っぷりが大好きなんです。話の構成というか流れというかストーリー性というか。
 まぁそこら辺はなんでもいいけど。
 要は、ミステリの要素とラブコメの要素がようやく結びついてきた感があると言いたい。今まで読んだのは、ミステリパートとラブコメパートがどうも剥離している印象があったのですが、六月でちょっと解消されて、七月で完全にラブコメミステリと呼んでふさわしい話になったと。その冠つけてていいよと。そう言ってあげたい感じですね。
 あとがきを読んで「萌えキャラ投入」と投書したオタクはラブコメを勘違いしているのだと思います。ラブコメは萌えで動かないです。キャラクター性は重視されるとはいえ、萌えで話が進むのではなく、ラブコメはあくまで話の構成で進むのです。だから王道的なストーリーが生まれ出てくるのですが。
 王道も時として悪くないと言うか、それをうまく活かすことが出来たら、新しい取り組みとしてうつるのではないでしょうか。

 だから言いたい。富士見ミステリー文庫は霧舎のようなタイプの作家に書かせておけと。あざの耕平はおもしろいけど、富士見ミステリー文庫に呼ぶなよと。っていうかあの風潮はなんだ。だから廃れるんだよ。とまぁ、そんな風にいいたい。
 白泉社My文庫のほうがよっぽどしっかりとした作りになってるよ。まったく。