『夜聖の少年』
『夜聖の少年』浅暮三文/徳間デュアル文庫/徳間書店
ISBN:4199050256
徳間デュアル文庫は、SF作品を多く出すレーベルだ。
その中で浅暮三文が描いたSF的モチーフは、クローンや遺伝子といった小道具だった。
こういった小道具に彩られ、作中の世界は動いていく。発光しはじめた少年少女は、体の中に抑制遺伝子を組み込まれる「儀式」を経て社会に出る。そうして生まれ出たのが正しいと思われている世界だ。
読者側からみると、その世界が歪んで見える。だからこそ、主人公であるカオルたちは「土竜」と呼ばれる地下に生活する社会不適合者であり、土竜の立場から世界を動かしていこうとする。
それはそのまま現在の社会へとスライドして考えることが出来る。正しい世界というのは何処にも存在しない。現在の社会も、この作中にあるようにどこか間違っている。その社会を打破するために、土竜たちはあがいている。
その土竜たちの中で、カオルという個人もあがく。子どもの頃から惹かれていた、擬似的な神の姿と同じミトラに親近感を覚え、世界のシステムと同時に、ミトラの存在の謎を暴いていこうとする。
現状の社会を改善しようともがくと同時に、自分の居場所、自分とは何かという困惑を解決しようとあがき続けるのだ。
そうした冒険を経て、次第に土竜たちで一致団結していこうと呼びかけるようになる。これから、そうなったらいいという作者の願望が作中に込められているのではないだろうか。
>夢幻放送
あのね。ものすごく長くなってきて収まりがつかなくなったの。言いたいことの要素だけ書いていったら、意味不明になった。添削してくれ。ものすごく添削してくれ。きっと全文書き直しというオチなんだけど、この作品の切り口はこういう視点からしか出来ない無能な黒雨がここにいる。
というわけで、捕捉よろしく。