『極限推理コロシアム』
『極限推理コロシアム』矢野龍王/講談社ノベルス/講談社
ISBN:4061823663
ひさびさだね、本について。
んでー。これなんだけどー。読後感が悪いのー。
あのオチむかつくのー。
駄々っ子のように感想を述べるとそんな形になります。この作者って、あのトリックを思いついてから書いているのがわかりすぎるストーリー展開をしますね。
なんかさぁ、こう、ストーリー展開が全ておまけでしかないのよ。推理小説という形にするため、しかたなく不可欠な部分だけ書いたような印象しか。
なんか、これ完成形じゃない気がする。もうちょっと、ストーリーとして成立させるために書くところがあるだろうと。
まぁこの感想は、推理小説に対し「トリック」を求めず、その周辺を読みたがる人間の感想だという事です。黒雨は、ミステリというジャンルでネタバレされるのが一番嫌な部分って「動機」なんですよね。
というわけで、推理小説的にはどうか知らないけど、ストーリー展開で見るべきところがなくて退屈だった。結構楽しく読めた部分もあるから、そこまで筆力がない作家じゃないと思うんだけど、ムラがあるのが気に掛かりました。
なんというか小説的な書き込みがまったくなされていないからつまらないままになっているだけであって、それを書き込むことができれば伸びる可能性があるんじゃないかと思う。
今のままじゃ、たらたらと状況書いているだけだし、一人称である意味もないけれど、いっそのこと視点固定な三人称とかで書くことで文章を再構築すれば読めるものになる「筆力の余地」があると思いました。
あー、それを「筆力がない」と呼ぶのか。だんだんとそんな気もしてきたけど。