第06話:有象左往

 あ、はい。今日はHR担当の10組でずっと試験監督ですか。実力テストの。はい。わかりました。教科担当の吉岡先生に伝えておきます。はい。それでは。
 
 あ、吉岡先生。今日はHRクラスでずっと試験監督という事らしいんですけど。え? そんなはずはないだろうって? いえ、そう伺ったんですが。毎年実習生は午前中試験監督に出続けるという事らしいのですが。
 え? そんなことはない、ですか。はい。では付いていけばよろしいんですね? はい。5組ですか。はい。
 あ、座席移動が終わっていないですね。あれ、4組に移動ですか? はい。担任と交代したんですね。じゃあ4組へ。
 
 1時限目が終わりましたね。
 はい? 今聞いてきたらやっぱりHRクラスの10組にずっと待機ですか? わかりました。では行きます。次に10組にくる先生の指示を仰げと。はい。
 
 あ、宜しくお願いします。10組担当ですよね。
 え? 自分いらないですか? あ、教科担当の実習生がいるから、いらないと。教材研究でもしとれと。はい。わかりました。
 
 3科目目ということで、再び来たんですが。はい。じゃあ宜しくお願いします。
 あ、鐘が鳴りましたね。はい。じゃあ答案を担当の先生の元へ運んでいきます。
 じゃあ、昼食のあたりで戻ってきます。はい。
 
 あ、もう終わってましたか。え? 次、授業ですか? あ、実力テストっていっても、午後は通常授業ですか。そこまで土曜の休みってきついんですか。はい。予定外だったので急いで準備します。はい。
 
 
 え? こんな文章つまらないですか? はい。文体とか工夫する前に面白い内容を用意しろ、ですか? はい。はい。
 いや、そんなに毎日ハプニング起こりませんて。
 
 試験監督中にずっと半勃ちで立ち上がれなかったくらいで。