僕の戦いは始まっている。

 今日は1限が休講のはずなので2限からだ。10時40分スタートの授業だったんだ。
 黒雨は、目覚める。
 
「軍曹! ハートウォーム軍曹!」
「なんだ」
「標的が、標的が予想を遙かに上回る早さで行動を開始しました! このままでは、このままでは我々の予想していた時刻よりも早くに到着してしまいます!」
「なんだと! それは確かか」
「はい。このままでは午前10時に、標的は目的地にたどり着いてしまいます」
「……しかたがない、私が向かう」
「ぐ、軍曹!?」
「私は、標的が昼間で動かないと予測していた。私の読みがただ甘かった。それだけだ。責任は、取らないとな」
「軍曹……」
「なんとか、午前11時まで標的の行動を阻んでみせる。その間は、頼んだぞ」
「サー! わかりましたぁぁっ!」
「ふっ、泣くんじゃない。言っただろう。私の責任だと。……では、行ってくる。後は頼んだぞ」
「軍曹……。ハートウォーム軍曹ぉぉっ!」
 
 というわけで11時に教室に辿り着いたんだ。
 
「軍曹の遺志を継ぐんだ……。我々は、ハートウォーム軍曹の部隊だぞ! 皆行くぞ!」
「サー!」
 
 というわけで、バイトまでちょっと遅刻したんだ。