『しずるさんと底無し密室たち』
『しずるさんと底無し密室たち』上遠野浩平/富士見ミステリー文庫/富士見書房
ISBN:4829162848
うわ、面白い。
なんか上遠野浩平の文章を読んで久々に面白いと思いました。なんていうかね、惰性で読んだわけです。惰性。だらだらと。そりゃあもうだらだらと。
今回のは楽しめた。
前巻との違いはなんだったのだろう。
えーと、前巻を読み返していないので、正確に述べることは出来ないのだけれど、前短編集ではしずるさんとよーちゃんが話をするシーンというのは解決編であって、考察ではなかったことに起因するのかなと考えてみたり。いや、前の巻だと、イメージ的にというか描写というか、病室の一角で話されているというシチュエーションがあって、そこからずばっと飛んで、事件現場へのシーンが思い浮かぶのですよ。
逆にいえば前の巻では事件現場の描写があるから、なんだか安楽椅子探偵的な小説として楽しめなかったんですが、なんか今回は、きちんとしずるさんとよーちゃんが話をする描写が前に出てきて、前よりも病室で事件について話をしているというのがイメージしやすくなったのが、今回おもしろかった少なからずの要因の一つとしてあげられるかと。
世界がぎゅっと一つの部屋に押し込まれるおかげで、その中に詰め込まれる関係性とか読みやすくなったのではないかと邪推だけはしてみるのですが、まぁ適当ですよ。
あんまり前の巻のこと覚えていないので、嘘な気がしてきた。
まぁ、そんなことをラーメン屋で考えながら読んでいました。ずずず。