『マリオネット症候群』

『マリオネット症候群』乾くるみ徳間デュアル文庫徳間書店
  ISBN:4199050787
 読みました。乾くるみを初めて読みました。
 メフィスト賞作家で徳間デュアルに流れた時の作品って、なんか押さえ気味という印象があるので、これで作家を判断するのはやはり早計なんだろうけれど。
 普通に楽しかった。
 他人に身体を乗っ取られて、マリオネットのように操られつづける主人公視点の話。ラストあたりで、途中で毒入りチョコレートで殺人が起こったりするけれど、話の本筋には何もかんけーねーよ、と言わんばかりにあっさり犯人とか割れるのな。
 んでもって、思うのは後半。落としどころはそこじゃねーだろ、と思うのですよ。いや、まぁ完璧に「落ち」はついてるけれど、そこに落としてどうするんですか。もっと違う道ないんですか。
 なんか、単純に、こういう話だったら、こういう事も出来るんじゃないかって発想を欲張って入れちゃってませんか。うん、欲張りすぎ。そんな強欲な所、楽しかったんだけれどさ。まぁ、破綻しているっちゃ破綻していますよね。
 
 後書きみたんですが、これってSFなんですね。
 絶対嘘だ。