『スラムオンライン』
『スラムオンライン』桜坂洋/ハヤカワ文庫JA/早川書房
ISBN:4150308004
読み終わりました。初桜坂。
青春小説と謳っていて「ああん」と思いながら読んでいたら、中身が本当に青春小説でびっくりした。そんなことはないと確信していたのに。根拠はなかったのだけれど。
というわけで、先入観のせいで楽しめませんでした。楽しかったは楽しかったけれど。なんかこう。ねぇ。
まぁなんというか、最後の最後の落としどころをあそこにした途端に今までのバーチャル部分が一気に色褪せてやるせなかった。途中までは楽しかったのだけれど。バーチャルのためにリアルを少しずつ切り捨てるあたりとか。
それが、あれで、なんか救い的な? 結局今までのどーでもいいよね的な肩すかしを食らった気分。
多分、これは、もっと現実に即して生きている人間が読むべき小説なんだと思う。黒雨はそこまで現実を重視していない。
だから、黒雨はこの小説に打ちのめされた。
そうか、黒雨には救いはどこにもない。
うるせーよ馬鹿野郎。
いや、単純にこの小説を読んで、黒雨の現状を鑑みて僻んでいるだけなんですがね。