『寺山修司少女詩集』
『寺山修司少女詩集』寺山修司/角川文庫クラシックス/角川書店
ISBN:4041315174
言語センスがどっか飛んで行っているような詩集。
読んでいて体力を消耗しました。
同じテーマごと編纂されているんで、これでもかといわんばかりに一つのテーマを言葉で掘り下げようとしているこの詩集は、感受性を壊します。
読んでいてとても怖い。
ふとしたときに、思いも寄らない単純でひどく指向性のある言葉が出てきて、感受性が打ち抜かれるんです。その瞬間に黒雨はとても脱力してしまう。
黒雨の言葉はまだ力をまったく持っていない物だったんだと、気付かされる。
言葉にはやはり力があると思っていて、その力はどういったメディアで展開されていくのかという事に興味はあるのだけれど、黒雨はそういうメディア的な立場から触れていくことは出来ても、こういったコンテンツの核となる何かを生み出すことは、けして出来ないんだと思い知らされます。
黒雨に、語るべき言葉なんか、これっぽっちも残っていないんだ。
寺山修司について語るとか、そういった分析的な事は出来ないし、その上感受性だけで語ろうとしても、その感受性が打ち抜かれて、語るべき言葉は持ち合わせていない。