『彼女は存在しない』

『彼女は存在しない』浦賀和宏幻冬舎文庫幻冬舎
  ISBN:4344404416
 昨日書いたように、これを読んでると、Aphex TwinとかOrbitalとかUnderworldとかその他諸々を聴きたくなって、ちっとも進まないの。
 進まない癖に、最初の数段落で、話のオチがすぐわかる構造ってのはどうだろう。
 なので、その明確なオチをどう描くか、もしくはどんな音楽が作中に出てくるかで楽しんでました。や、基本的に黒雨はどんなものを読む時でも楽しみは見つけようと努力する努力の人ですよ。
 とりあえず、この本の感想は、やっぱりYMOは聴くべきだなぁ、と思ったことくらいなんだけれど。あとはケンイシイはしっかりと集めてもいいかも、とか電気グルーヴに手を出し損ねた黒雨は損してるな、とか。
 うわ、基本的に音楽にしか目がいってないですね。
 
 でもさ、ああいう一人称の転換で話を進めるってなった時点で、この話のオチは全て見えてるから、サスペンスっぽい感覚とかそういうのがなくなってしまうじゃないか。描写に関しては、結構丁寧だよなぁ、構造を変えれば個人的にはもっと楽めるんじゃないかなぁ。