『それでも町は廻っている(1)』
『それでも町は廻っている(1)』石黒正数/YOUNG KING COMICS/少年画報社
ISBN:478592604X
すげぇおもしろい。
なんというか、絵がうまいとかコマ割りがうまいとか、そういうんじゃない。「マンガ」がうまい。そういう作品。
要素としてメイド喫茶が出てくるけれど、メイド喫茶はそんな重要でもないんですよ。そういうところで読む話ではなくって、偶像化された社会ってのにギャグを散りばめて一話一話きれいに読ませる作品だと思う。
ギャグっていうので言えば、このメイド喫茶はただのギャグなだけで、内実は商店街で婆さんがやってる喫茶店で、婆さんが「最近はメイド喫茶が儲かるらしいじゃないの」とかいうので、主人公が巻き込まれているだけ。メイド喫茶は装置とかギャグというか、そんなくらいしか使っていないので、いろいろ安心な上、そもそもメイド喫茶なんざいらないくらい。
いや、だって。メイド喫茶で働いている設定なのに、主人公がメイドじゃない話が5/11。ほぼ半分か。んで、喫茶店がでてこないのが3/11。三割くらい。という位に別にメイドはどうでもいいんです。主に日常生活を切り取ったように見せかけるストーリー展開が重要なのです。
んで、そうやって日常生活を描いているくせに、突然ぶっ飛ぶのが爽快。
1巻の第7話「宇宙冒険ロマン」が、めっさおもしろかったですよ。あのギャグのぶっ飛び過ぎですよ。巧いですよ。
んで、これすげぇのは、ギャグだけじゃなく、やっぱり普通にストーリーがうまいことろだと思うんですが、どうでしょう。卑怯でしょ、第6話。あんなにうまくまとめておいて、その次に第7話という流れ。卑怯でしょ。
くやしい位にはまって、もう5,6回読み返してます。たまんねー。