バイト3日目<下>強いバイト

 黒雨はどうも強いアルバイトです。
 
 なんか、引き継ぎをうけている人から、ものすごく気遣われる。黒雨が強い。なんか強い。まぁ「求職活動と平行して、なおかつ結果が出た段階で入るかどうか決める」という、鳴り物入りの若造。端的に言えば全然入る気がないように見られてもしょうがない、という感じですよね。
 いや、別に結果次第では行きますけれど。という表現って「他が落ちたら」という意味でしかないよなぁ。そんなこと重々承知の上。
 
 なので、やたら社員さんに「今日は早く帰らなくていいの?」「明日試験とかないの?」とかやけに気を遣われる。そして黒雨自身はたたきつけた条件が相手に酷すぎるという意味で肩身の狭いアルバイトと思っているので、唯々諾々。悠々自適。あ、今の違う。
 
 今日は、バイト1日目の編集会議であがった、ちょっとしたタイトル案を持ってくるように言われていたので、発表してみた。……笑いを取った。「君、毒あるねぇ」と言われた。会社批判だと思われたらしい。いや、単純に自虐ネタが好きだからそういう発想しかでなかっただけで、黒雨は会社をけなす気なんてないんだ。
 それは周りのみんなが黒雨に気を遣っていることがマイナスになっていることではあると思うんだけれど。まぁそういうことは気にしない。黒雨は強い子元気な子。嘘言いました。元気ではないです。