総武線アイドルボーカリストとの別れ

 総武線乗ってたんですけれど、なんか不思議と帰宅が夜遅くになったので、23時過ぎの御茶ノ水止まりで各駅停車の旅路がゴーだった訳ですよ。わかりやすく言い換えると、御茶ノ水でいったん電車が止まってしまうので乗り換えが必要になったのですよ。
 乗り換える電車が到着して待ってると、一つ向こうのドアがなんか騒がしい。
 電車に乗っている女性ひとり。ホームで見送る男性ふたり。
 端的に言えば「80年代ホームドラマか」という格好をした青年たちが感極まってました。
 
「おまえは俺らのアイドルだよ!」
「ずっと友達だからな!」
「ボーカルはいつまでもお前のもんだよ!」
 何ソレ
 
 アイドルが友達で永遠のボーカリスト
 どういう状況ですか。
 しらけた電車内をものともせず、不思議なテンションで声をかけ続ける青年たち。
 女性は、手を口元にかぶせて表情がわかりません。
 ようやく発車のベルがなり、彼らは袂をわかちました。
 
 なんだろーなー、バンドの解散した日とかが無難なんかもね。男性ふたりは無駄に感極まってたし、それを受けたから、女性も手で顔を隠して……って笑ってね?
 男性ふたりには申し訳ないが、滑稽さならふんだんにトッピングされた会話だったので笑えたんですが、当事者にも笑われるって終わってませんか。
 
 総武線アイドルボーカリストの正体は何なのか。
 次回につづける余地がありません。完。