『シュルレアリスムと美術-イメージとリアリティをめぐって-』横浜美術館

http://www.yaf.or.jp/yma/exhibition/2007/special/03_surrealism/index.html
 行ってきた。
 
 シュルレアリスム系の作家では、特にマグリットあたりがふざけてて好きなので、マグリットががしがしあってよかったですよ。
 
 なんというか、シュルレアリスムとは、単純に言えば副題にあるように“イメージ”がほぼその全て。リアリティはそこに介在する必要があるのかどうかでいえば“ない”が本当の答えになる気がしてます。
 作家が持つイメージをイメージのまま吐きだした姿ってのを、何も考えずにそのまま受け取ればそれで大丈夫。また、それにともなってイメージをどう伝えるかという点にも特徴が見られるのがシュルレアリスム。リアリティのある“現実”と“現実”を掛け合わせることによって生まれる“非現実”に詰め込まれたイメージを単純に肌で感じればそれで事足りる。
 
 イメージがテーマである以上、求められるのは感受性。
 絵の前に経って“ピンと来る”って感覚が最初に発生しなかったら、いくら理屈をつけたところで絵を感じられるはずもない。写実的とかそういう評価だけなら、理屈でも理解できそうなもんだけどね。
 そういった意味では、見る側のハードルがだいぶあがった展示となってる気がしますよ。
 や、そもそものテーマがって意味で。
 
 そんなこんなで、わかりやすく“現実”と“現実”を掛け合わせた上で、ふざけてくれてる良い意味で頭の悪いマグリットなんか好きです。あれ、おかしいじゃない。絶対笑ってやがる。
 
 というわけで、イメージをそのまま伝える言葉なんて持ち合わせていない以上、具体的な感想はあげられませんが、赤いプラスチックをカンバスにぶちまけて焼いてた作品は、得も言われぬおもしろさがあってよかったですよ、と。
 別にダリとかどうでもいいや。
 
 あと、横浜美術館が企画展から常設展へ歩いていったら何故か最初の部屋だけ展示順序が逆になってて、それが特に連作のものだったから見づらくてしょうがなかったんだけど、何あれ。仕様?
 それと、美術館内で、アーティストがマスキングテープをぺたぺた貼ってる企画があったんだけれど、見に行ったらばりばりと踏んだよ。あれ何。トイレとかにもばっちりあったし。まぁそういう試みはいいんだけれど、最初何やってるのかわからなかったから、もうちょっとわかるようにした方がいいんじゃないかな。今こういう企画やってますっての。
 
 ま、企画展はそれなりに楽しめました。オーケーオーケー。
 そういえば、物販で売ってたジョアン・ミロの眼鏡ケースはちょっと欲しかったです。