『Forest』

『Forest』(Liarsoft)
  ASIN:B00019P6I6
 
 良作メーカーであるところのライアーソフト、今作ではイギリス文学をモチーフにした新宿の物語。
 と自分で書いててもよくわからなくなってくるんだけど、アリス(不思議の国も鏡の国も含めて)やその他諸々の物語をモチーフにした「森」が新宿に現れ、5人を森の世界へ誘う。5人に投げかけられる「リドル」である。
 
 んで、これもう最高でした。隙がない。無駄は多いけど。
 物語をとりまくのは、森という世界に巻き込まれた5人による世界観で、主観的に語られる世界観だけでなく、それは世界を飛び越していく。
 そう、これはメタ要素をふんだんに取り入れているのだ。
 世界の枠があるとするなら、物語はひとつの枠だ。その外にいるのは読み手であり語り手であり書き手であり、それを取り巻く何かがあってもおかしくない。
 そう「コンティニュー」には意味がある。
 このゲームには「コンティニューする」という選択肢があるが、それなしにはただひとつのトゥルーエンディングにたどり着けはしない。コンティニューすることは予定調和だ。なぜなら、この『Forest』という物語がゲームとして存在するというなら、それをプレイしている人間が居るわけで、それにより物語は繰り返される。その繰り返しすらゲームの調和に組み込んで「ルール」をぶっ壊している。
 
 あん、何のルールかって?
 当然、エロゲー業界のルールだ。このシナリオは、エロゲーである上でそのルールをぶち壊して何か違う側面としてのエロゲーになろうとしている。
 何かを打ち出すっていうのはこういう事を指すんだろう。エロゲーだろうが何だろうが、物語だ。物語であることに優劣はない。その中で具体的に何か打ち出すってのを、このゲームはやってのけた。
 
 あー、大満足。っていう大満足しちゃったら、黒雨は何をすればいいんでしょうか。