『ラムネ』

『ラムネ』(ねこねこソフト
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 というわけで『ラムネ』をやってました。
 ユーザーに優しいと定評のある、ねこねこソフトの新作です。シナリオはどうかと思います。
 
 まぁやった大体の感想なんですがね。『みずいろ』の廉価版って感じです。別に値段とか変わりませんけど、なんか話の構成とかキャラクターとかが『みずいろ』のスケールを小さくしたような。
 正直にいいますが、ダメだと思いました。シナリオやキャラクターの面では。
 だって本気で『みずいろ』のスケールダウンで全てのシナリオが説明できてキャラクターも説明し終わるってのが、ねぇ?
 
 ただね。オープニングムービーは頑張っているなと。あとねこねこに恒例のおまけがいかしてました。
 だいぶネタバレになるんだけどね。フルポリゴンで織田信長の天下統一ってどうよ。んで黒田清兵衛が宇宙人(グレイ)ってどうよ。
 
 とにかくあれです。籐野らんこと後藤邑子でもういいじゃない。それでいいじゃない。でも個人的には『それは舞い散る桜のように』の小町のようなキャラでこそ声の魅力が最大限に出てくるんじゃないかと思ってます。
 あ、どうでもいいですか、そうですか。
 
 まぁおまけ以外に価値があると思えなかったので『ラムネ』をやろうとして『みずいろ』をやってない人は『みずいろ』をやるべきです。『みずいろ』をやってあんな感じの普通な世界観に浸りたい人は惰性で『ラムネ』でもやればいいじゃない。
 そんなゲームでした。
 
 シナリオやキャラクターに関して思うところがあって補足。
 今もっかいラムネのシーン回想とか見返してたんで。
 ええっと、とりあえず七海に関しては前作と同じというか同じというか変わらずというか同クオリティーであるのですね。
 んで、他のキャラなんですが、とりあえず鈴夏に関してはシナリオライターの力量は普通。キャラが弱い。『みずいろ』の進藤には負けるだろ、そりゃ。んでこのキャラ別に兄妹でなくてもなんでもよかったじゃないか、とつっこんでいいのやらどうなのやら。
 んで、先輩キャラに相当する多恵なのですが、このキャラやシナリオは『みずいろ』を突き抜けてよかったのではないかと。プレイ後思い返してみれば、このキャラクターの行動原理とかなんやらの伏線は、上手くできている気がしました。『みずいろ』の先輩はもうどんなシナリオだったか忘れてしまってるからなぁ。それに引き替え今回の先輩キャラである多恵シナリオは、伏線の張り方がよかったと思います。というか『ラムネ』を最後までプレイできたのは多恵シナリオを早いうちにやったから期待してってのがあったのです。
 最後に。『みずいろ』でいうところの清香に相当するキャラだろう、ひかりシナリオなんですが、シナリオの伏線というかそういうのは、本当に文章を書いたライターが考えたことなのか、と疑問です。
 というのも、シナリオの大枠に関しては、読んでて楽しめる構成になっているのですが、それよりも細分化した場合に一気につまらなくなるんです。
 一日の切り方とか、シーンの切り方とか。
 それよりもなによりも、純粋に文章力が他の3シナリオに比べて圧倒的によくない。最後にひかりシナリオをプレイしたせいで評価が予想以上に下がりました。
 これだけ大枠でほどほどにおもしろそうな構成になっているのに、つまらなく感じさせたライターはどうかしてると思います。なんかもっかい文章力を磨いてこいと言いたい。キャラクターが実にもったいない。つまんね。文章読むよりも要素だけ切り取ってどんな話だったか思い出す方がおもしろいって、間違ってる。
 
 うーん。やっぱり、バランス悪くないか。ねこねこソフトにおける各シナリオのバランスはいっつも悪いと感じるんだけど、今回もバランス悪いわな。