『キッド・ピストルズの冒涜』

キッド・ピストルズの冒涜 パンク=マザーグースの事件簿』山口雅也創元推理文庫東京創元社
  ISBN:4488416020
 
 というわけで、山口雅也を読んでました。
 なんというか、パラレル英国ってのが、してやられた感満載です。
 短編集なんですが、始まる前に色々文章があります。読みます。
 してやられた感満載の気分になります。
 いや、上手いと思うんです。なんかモヤモヤ感を感じるのは、きっと咄嗟に「ひきょい」と思ったからです。どっかの鳴き声みたいな反応だけど「ひきょい」と思ったのは間違いないです。
 よく考えると卑怯でも何でもなく、すごい便利な設定なんですよね。パラレル英国って。読者に対しても作者に対しても。作者は説明文くわえれば世界設定を補足する形でつくれるし、読者はその世界設定を認識しさえすれば、現実との齟齬をまったく感じずに済むよなぁ、と思ったわけですよ。
 それは現状の色々な問題をなかったことに出来る便利な考えだと思いますが、第一印象の「ひきょい」が抜けきれないまま物語に引きずり込まれて読んでいきました。読んでいる最中は楽しかったです。何も考えずに読んでました。結局、読み終わった後に「ひきょい」と感じたんです。
 きっと、先入観って大事。