『黒い季節』
『黒い季節』冲方丁/角川書店
ISBN:4047870110
荒々しくとんがってる。抽象的な言葉で言えばだけど。
色々なものが詰め込まれていて、それをひとつの風呂敷のようなものにまとめ上げている。でもね、風呂敷は中に入っている形状をそのまま保つんです。ごつごつするんです。それが突き刺さってきます。
そんな小説。
言いたかったことは荒々しいけど、その分だけ勢いよく刺さってくる点もあるって事です。
冲方丁の最近の作品読んでるからこそ、本作はもの凄く不満が残る読後感にしかならなかったんですが、それって最近の著作がこの時点とくらべて凄い勢いで向上しているからなんですかね?
そういう意味では、不満な読後感が変に満足となる不思議な一冊でした。