富士見レーベル雑感 その1
富士見レーベル雑感 その1 序 〜富士見書房という存在〜
何というか最初「レーベル論」とか銘打ってみたけどやっぱりただの雑感を書き連ねる方が、黒雨にとって楽しいので、だらだら書くよ。でも構造的には論文っぽく「序」とか入れてみるね。
富士見書房っていう存在からちょっとずつ書いてこうかと。
とりあえず、富士見書房のレーベル「富士見ロマン文庫」ってのがあったりするんだよね。マルキ・ド・サドは富士見書房作家です。だって富士見ロマン文庫になってるんだもん。とか言ってるのはある意味で卑怯な物言いなんだけど。
富士見書房ってのは結構変で、前述の「富士見ロマン文庫」はamazonで飛ぶと18禁扱いなんだよね。今でこそライトノベルとかTRPGとかのゲームなんかのイメージがついているんだけど、富士見書房は元々おっさん向けのものだった様子。
富士見ロマン文庫(18禁)、時代小説文庫。
この2点のレーベルは富士見的に黒歴史な様子です。あ、間違えた。言い直します。「角川書店富士見事業部(注:その後、富士見書房は独立した会社になりましたが)」的に黒歴史なんじゃね?
ちなみに、富士見書房の時代小説文庫には山田風太郎とかいるからね? 山田風太郎『ありんす国伝奇』*1とか実は富士見。
こう上げていくと、富士見書房についてのイメージってだいぶ変わる。
書店に行って富士見ファンタジア文庫の新人賞から出た奴、イラストだけでもいいから見て欲しい。そしてサドと山田風太郎を思い浮かべて欲しい。
どんな版元なんだ、富士見書房。
今もある「俳句研究」ってのはその頃の名残なんでしょうかね? 角川書店富士見事業部の歴史は調べてもよくわからないままなんです。絶版となってしまってもネット上の本屋とかに残っているバックナンバーの発行年度から推測すると、富士見書房の文庫は、ロマン文庫やら時代小説文庫から、急遽富士見ファンタジア文庫へと移行してるんですよね。
というか、出発地点がイマイチよくわかってないんだけど、角川の社史には何も書いていないのでわからないんです。暇があったら調べてもいいかな程度として。
今では会社組織としても残ってないしね。角川グループ関連企業の一覧ページ(http://www.kadokawa.co.jp/company/sub.html)には跡形もない富士見書房。その代わりに事業部所在地のリストのページ(http://www.kadokawa.co.jp/company/access.html)にははっきりと「富士見事業部」の文字。
そんな不思議な不思議な存在なのが富士見書房なのです。
以上のことはとりあえず前提です。前提。
キーワード「マルキ・ド・サド」で飛んできた人はまさか富士見書房について書いてるなんて思ってないよね、きっと。