今日という日はあっさりと過ぎ去るものだと、確信もないのに思っていたんだ。

 昨日徹夜で麻雀なんかをして、友人の家で寝て起きたら、バイトの時間になってた。一日吹っ飛ぶ。
 バイトに行って、だらだらと働いて、歩いて家まで帰っていたんです。
 
 なんか急にタクシーが信号でもないのに減速してたので気になって視線を追うと、女性がタクシーの窓から飛び降りて車道に転がりました。
 え?
 後ろを走っていたタクシーの運転手(タクシーばっかり走ってる道だな)と一緒に女性のもとへ行くと、すげぇ酔ってて「死にたい」とか言ってます。
 女性が乗ってたタクシーも止まり、運転手と、女性の連れらしき男が出てきた。セカチューばりに泣き顔をつくって、女性に泣きすがってる男を、タクシーのおっさんと並んで見た。
 なんだよ、この通りは世界の中心じゃねぇぞ?
 たまたま消防署の目の前だったので、救急隊員を呼んで、女性が乗ってた方のタクシーの運ちゃんとだらだら話をしてました。
運転手「いや、わたしはね、運転してたから止められなかったんだよ。この旦那が必死になだめて止めてたんだけどさ、隙をみて降りようとしたんだよね。だから私は車を停めてたから、そんな重傷じゃないと思うんだよね。事故じゃないし」
 そりゃ、事故だったら大問題だわな。つか長々とうるさいよ運ちゃん。
 通行人で目撃者だった黒雨なんですが、事故じゃないので、救急隊員に見たことを話して立ち去るタイミングを逃してたら、女性に泣きすがってた男に泣きながら「靴」と単語だけ言われてアゴで使われたんですが、ここって怒っていいところだったんですか?
 わりとむかついたんですが、まぁなんかこの男女二人とも精神が病んでる気味だったので、そのまま唯々諾々。
 救急隊員が必死に女性に話しかけてます。
救急隊員「頭、大丈夫?」
女性「大丈夫大丈夫、いつもライブとかでダイブしてるから打ちなれてるからぁ」
救急隊員「頭、大丈夫?」
 救急隊員が二度目に訊いた「頭、大丈夫?」の意味に苦笑しつつ、タクシーの運ちゃんが立ち去るっぽかった(事故でないので救急隊が病院連れて行くだけで済んだ)ので、じゃあ自分も、って帰ってきた。
 
 無駄に疲れたんですが、この疲労感はなんだろう。
 黒雨に卒論をやるなって意味なんでしょうか。というか、なんでこういうのに出くわすんだろう黒雨。トラブルが寄ってくる体質は、どうやったら改善されるんですかね?