出くわす。

 自転車のライトを付け、警察に呼び止められることもなく神田川西武線が交差しているあたりの道をつらつら走る。
 交差点にさしかかったところで、止まると「きゃあ」という声が聞こえて、自転車:顔面蒼白号の前輪に右側から女性の自転車が突っ込んできた。
 避けきれない。
 条件反射的にハンドルを左に切ったけど、前進も後退もする暇が無くぶつかる。
 うーん。これが登校途中でふたりとも同じ学校に通ってて遅刻寸前で走っているのならまだしも、夜中に自転車どうしでぶつかるのは何にも繋がらないね。というか自転車にのっているということは下手したら警察沙汰に繋がるよね。
 というわけで、とりたてて何もなく物理的な衝撃をくらっただけだった。謝罪すると、女性は去っていったので、自分もまた再び自転車をこぐ。
 前に原チャに轢かれたのと同じ所にぶつかってきたなぁ。なんだ。呪いか。
 条件反射的にハンドルを左に切るのが悪いのか。そうして右から来た何かがちょっと倒し気味になってしまったタイヤに乗り上げてくるのか。
 いや、それは呪いでも何でもなく分析出来てるんだけど。
 
 なんかぶつかった衝撃と共に何かをこぼしてしまった気がする。