『スケッチブック(2)』

　　ISBN:4861271096
　
『らき☆すた』と同じ空気系の四コマ。
　でも、ひとくくりにするにはどこか惜しいのです。なんていうかね、こちらは妙に現実味があるのです。
　日常生活の中にある一シーンを切り取ってきただけのように展開される四コマ。よく考えると変な行動っていうものを切り取り続けているせいで、リアルなはずはないのにリアリティーしか感じられない。この空気はどうやったら生成されるのか不思議でなりません。
　とある田舎の高校の美術部を舞台にしているはずだけど、別に絵なんかどうでもいい感じです。作者が元美術部だったから、とかそういう理由だと思いますが。知らないけど。
　そんな感じで、実体験を元に起こしたような漫画ですが、キャラクターが妙に現実離れしているのがキモ。設定上完全に現実味を帯びているはずなのに、現実離れな行動を起こして、でもそれが現実でもあり得る行動であるのは確かで、その距離感がこの漫画の空気を醸し出しております。
　ヒットする人にはどストレートでヒットするし、他の人から見たらボークもいいとこな漫画です。
　いや、どストレートで直撃喰らったのは他でもない黒雨ですが。