『神様家族(6)鉄棒工場』
『神様家族(6)鉄棒工場』桑島由一/MF文庫J/メディアファクトリー
ISBN:4840112533
ああああ、もう由一はやってくれますね。やってくれますよね。おおおおお。
本当によく持ち直したと思いますよ。1巻2巻がアレですが、3巻以降の持ち直しは凄いです。5巻でむむむと思いましたが、6巻でとうとうやってくれた感が。
というおおざっぱな紹介でお茶を濁そうとしていますが。
初っぱなから主人公の佐間太郎が赤ん坊になり、いきなし居場所をなくします。その描写がギャグに特化しているかと思いきや、はしばしでめっさ重苦しいものを出しているんですよ。それを巧く受け流す辺り桑島由一氏の文章力はなんかねじ曲がった方向へ成長を遂げています。褒め言葉です。
シーン描写の連続に対して意味づけを徐々にあらわにさせて物語を紡ぎ、はてには最後に今後どっちにも展開出来るような引き。モチーフの特化。すげぇよ。由一氏。
おおおお、黒雨さんの頭は大分悪くなってるみたいなんでそんなところでいいですか。それにしても心象風景の描写とか、あのギャグの文体で描き切れたあたり、これはもうオリジナリティーですよ。
桑島由一はスロースターターですが、シリーズ追っかければ結構いいものを見せてくれますね。さて、どうやって物語を締めるんだろう。そこが一番気になりますね。今後が気になる作家なんて久々だなぁ。