『塩の街』

塩の街有川浩電撃文庫メディアワークス
  ISBN:4840226016
 なるほど。面白い。
 有川浩のこの作品は一旦読みかけで途中放棄したのだけれど。改めて読むと、まぁ楽しめますね。最後の方の世界を救うようなシーンは別にどうでもよかったのですけれど。
 この話は塩の話です。なんか宇宙から塩の固まりが降ってきてから、なんか人間が塩になったりしてまぁ大変。そんな世界に生きてます、みたいなストーリー。超エロい。だって、潮吹きですよ?
 まぁそれはそれとして、この小説が一番面白いシーンはなんといっても、囚人が脱獄してきてヒロインである真奈を押し倒している時に、その保護者役の秋葉が囚人の腕をねじ曲げるシーン。
 さりげなく囚人の腕も塩になってて、腕がぼろりともげるのね。
 うわー、たのしー。
 
 ええっと、それでもこの部分ってそれほどメインストリームじゃないんですよね。本の半分くらいから始まる、利己主義的な考えによると、まぁ世界救った方が自分のためじゃね? 的行動が始まる前の、伏線のシーンなんですけれど。
 伏線が長い長い。
 んで、正直、その伏線部分だけで話作った方が面白いんじゃないですかね。まぁライトノベル的ではなくなりますけれど。あ、でもあれか。そういうのありだな。昔の冴木忍だったら書きそうだな。ま、どうでもいいか。
 ふと思うのは、この作品のちょっとだけするSF臭は、もっとちゃんとSFした場合、これどうなったんだろうね? 今のが凄い微妙なバランス上にあるから、電撃小説大賞の大賞作と言われて納得がいくのだけれどさ。
 
 とりあえず、言うなればこの本は絵で損してます。もっと話に会うイラストレーターにすればよかったのにね。微妙にイラストの採用に関してピントがずれている気がする。
 あ、だからか。次作以降単行本化してああいう装丁になったのって。