『食卓にビールを(5)』

食卓にビールを(5)』小林めぐみ富士見ミステリー文庫富士見書房
  ISBN:4829163321
 いつも通りに日常がSFなのかSFが日常化したのか、ごちゃまぜのよくわかんない具合が面白い話でしたが、読んで感想を書かずにスルーするにはちと、ね。
 どうでもいいけれど、短編の6/8が書き下ろしという豪勢さはどうよ。
 今回で言えば「魔王編」がとかく凄かった。
 一人称であることを逆手に取った短編。今までの「何でもあり」という先入観からあっさりとオチがわかる癖に、話の軸がぐわぐわぶれるので、オチにいたる展開だけは読めないという短編。
 それまでの長い振りや、短編としての構成のバランスとかも、後半のごろごろした展開とのギャップのための前振りか。
 ひさびさに、ここまで混乱する短編でした。いや、すごいね。