『封仙娘娘追宝録10 天を決する大団円(上)』

封仙娘娘追宝録10 天を決する大団円(上)』ろくごまるに富士見ファンタジア文庫富士見書房
  ISBN:9784829119310
 出ましたね。正直出るとは思ってなかったですが。
 というわけで、足かけ何年ですが、このシリーズ。ついに結論が出そうです。
 んで、またこれが。それがあれで。
 伏線の回収をかけてきたのはいいんですけれど、それ以上に下巻への引きがとんでもなくすごい。
 この上巻で出てきた要素はすべて下巻へ引きやがりました。どうすんだこれ。また待つんですか。
 
 ところで、完結するのはいいんですけれど。
 
 このシリーズ、仙人が地上にばらまいた神秘の道具・宝貝を回収するために旅をするってのが概ねの話なんですが、シリーズ中盤から出てきた、捜索用の宝貝・索具輪の原因不明の不調とかっていう伏線は、ここから回収するんですかね。
 あと、短編の方なんですが、本編とやることは一緒ってことで、本編中との時間軸は前後どちらともあれ、パラレルワールドではないと思っていたんですが、導果先生のからみはどう説明するんでしょうか。
 封仙娘娘追宝録・奮闘編という短編集のシリーズ4巻目『夢の涯』にて「暁三姉妹密室盗難事件顛末」やら、ミステリとしてある種画期的な一作「刀鍛冶、真淵氏の勝利」やらに登場し、和穂に回収されているのだが、本編で何の説明もなく回収されずに登場している
 他の宝貝は、短編に登場した場合、それこそ本編になかなか出てきはしない。通常使用しているものや、「仙界編」と銘打って、別の視点もしくは時間軸からの話でもない限り、登場してはいなかったのに。
 
 このまま行くと、導果筆によるメタ小説化したラストとか可能なんじゃねーか、って思ってしまうくらい、導果筆の存在がシリーズ通して違和感なんすよ。
 ここらへん、あと1冊で伏線回収してって、これどんな話になるんですか。楽しみでしょうがないじゃないですか。
 
 でも、完結するのはいいんですけれど、そもそも本当に出るんですか。また夏を待たなきゃいけなくなったりするんですか。そこだけが心配なんです。なんで「(上)」とかにしたんですか。「(上)」と「(下)」の間にいくつの夏を超えなきゃいけないんですか。そこが不安で不安でしかたがないんです。
 
 先が気になりすぎて、夏が乗り切れません。