「フェルメール光の王国展」西武池袋本店別館2F=西武ギャラリー

さて、iPhoneを導入したから、日記もそれで書いて見る。
チラシを見て、池袋でもやってるのか凄いなと思い行ってみました。

何といっても光の王国というのがミソなのか。逆に定義として「芸術とは何か」を考えさせられる展示だった気がします。
会場の展示物が全て複製なんですよ。複製にあたって最新のデジタル技術を使用して、いわば音楽のデジタルリマスターみたいなことになっている。

それってどうなんだろう。
何も知らずに絵を見て感じたのは「薄さ」だ。やはり薄さは感じ取れてしまう。そもそもの標本としての手法としての印刷は必要だろうけど、絵画は絵画として描かれたからこそ、その本体が重要だ。いかにうまくスキャンして複製しても、本体が描かれたときの絵の具の僅かな凹凸が奏でる奥行きは再現できない。再現できないからこそ、もとの絵に価値がある。物質だからがゆえの損傷が積み重なり色褪せてしまったとしても、それでも元々の方に価値が認められる所以だろう。
絵画だけでなく、単純に、イラストは、描かれた当初に想定されたデバイスで見るからこそ意味があるのではないか。
授業中にノートの隅に描いた落書きはノートだから意味があるのであって、スキャンして画像として公開したとして、そこに意味はあるのだろうか。
そこに意味付けするのは絵自体に選択できる余地はなくなっている。売り手の匙加減で価値をいじれる部分であり、どんどんと商業的になっていく。そうなってはもはや「作品」ではなく「商品」になっていってしまうのだろう。

なんて、とりとめもなく思考が巡る展示でした。なんか疲れる展示でした。