バイトにまつわるエトセトラ
というわけで、黒雨さんはバイトに向かうんです。
復帰して二日目でバイト先の人全員にひさびさに会いました。
就職先が骨折後に決定したのでそれについて話をしたんですよ。「ある意味黒雨らしい」ってみんな言うんです。なんだそれ。君たち、黒雨をどういうイメージでもって見て居るんだ?
黒雨の復帰と同時に、ベテランのバイトが復帰しました。会計士か税理士か忘れたけど、その試験を受け続けている30にさしかかってきた方なのですが。復帰の理由が「二年連続1点足りなくて落ちた」から。晩飯をその方におごって貰いました。黒雨の周囲は何かどこかが間違っている人が集うのかと薄々感じています。
今日、バイト先近くにある神社か何かで祭りがあったんです。バイト先の人が一人、御輿を担いでたらしいです。はっぴでバイト先に顔を出さなくてもいいのではないかとふと思ってみたり。見せたかったのか、半被姿。女性のファッションセンスはわからない。
黒雨の周囲は何かどこかが間違っている人が集うのかと、わりと真剣に感じてきました。
『吉永さん家のガーゴイル(1)〜(3)』
『吉永さん家のガーゴイル 1〜3』田口仙年堂/ファミ通文庫/エンターブレイン
ISBN:4757717016 ISBN:4757717881 ISBN:4757718713
あー。ほのぼのーとしたそんな雰囲気ですね。
いいとは言えないんですが、悪いとも言えないそんなお話。
日常性を描く、ということに関していえば丁寧なやり方をしている小説だと思うんです。そこにしっかりと区分した形で非日常的な要素を取り入れることで、日常を描いてます。ただ、そこはライトノベルの真骨頂。非日常を日常化することが全然構わない。
というか1〜3巻で出てきた非日常は全て日常に昇華されています。非日常的な日常性。こう並べると何が何だかわかんないっぽいけど、ライトノベルとしてはよくあるよな、こういう話。
1巻では「吉永さん家のある御色町」という日常と「ガーゴイル」という非日常。
2巻では「吉永さん家(ガーゴイル含む)のある御色町」という日常と「怪盗百色」という非日常。
3巻では「吉永さん家のある御色町(怪盗百色も住む)」という日常と「植物研究をする錬金術師、植物と話が出来る装置」という非日常。
前作で出てきた非日常が日常化することに違和感を感じさせないのは、やっぱり筆力があるんだろうな、きっと。
そんな世界観を実に丁寧に重ねているこの作者が、ライトノベルの或る意味での基準になっていって欲しいなぁと思います。というか書くの早いね。3巻が出たの今年の6月なのに、もう4巻出てるんだ。買ったけど。今読んでるけど。