『吉永さん家のガーゴイル(1)〜(3)』

吉永さん家のガーゴイル 1〜3』田口仙年堂ファミ通文庫エンターブレイン
   
 ISBN:4757717016 ISBN:4757717881 ISBN:4757718713
 
 あー。ほのぼのーとしたそんな雰囲気ですね。
 いいとは言えないんですが、悪いとも言えないそんなお話。
 日常性を描く、ということに関していえば丁寧なやり方をしている小説だと思うんです。そこにしっかりと区分した形で非日常的な要素を取り入れることで、日常を描いてます。ただ、そこはライトノベルの真骨頂。非日常を日常化することが全然構わない。
 というか1〜3巻で出てきた非日常は全て日常に昇華されています。非日常的な日常性。こう並べると何が何だかわかんないっぽいけど、ライトノベルとしてはよくあるよな、こういう話。
 1巻では「吉永さん家のある御色町」という日常と「ガーゴイル」という非日常。
 2巻では「吉永さん家(ガーゴイル含む)のある御色町」という日常と「怪盗百色」という非日常。
 3巻では「吉永さん家のある御色町(怪盗百色も住む)」という日常と「植物研究をする錬金術師、植物と話が出来る装置」という非日常。
 前作で出てきた非日常が日常化することに違和感を感じさせないのは、やっぱり筆力があるんだろうな、きっと。
 そんな世界観を実に丁寧に重ねているこの作者が、ライトノベルの或る意味での基準になっていって欲しいなぁと思います。というか書くの早いね。3巻が出たの今年の6月なのに、もう4巻出てるんだ。買ったけど。今読んでるけど。