『スクラップド・プリンセス(11)〜(13)』
『スクラップド・プリンセス(11)路地裏の挽歌』榊一郎/富士見ファンタジア文庫/富士見書房
『スクラップド・プリンセス(12)反逆者達の多重奏』榊一郎/富士見ファンタジア文庫/富士見書房
『スクラップド・プリンセス(13)天に響く聖譚詩』榊一郎/富士見ファンタジア文庫/富士見書房
ISBN:4829115149 ISBN:4829115394 ISBN:4829115629
みっつまとめて感想を。
あのですね。棄てぷりに限らずこういうファンタジー系のジュブナイルで黒雨がむかつくものがあるんですよ。ファンタジー世界を独自に作っておきながら、実世界につなげるという奴ですよ。むかつくんですね。異世界もので現実世界にくるのもむかつくんですが、それは別として、SFじゃないんだから、SF的展開にするなというか、ファンタジーを徐々にSFに変貌させて、最初の方の設定を消しているのとか、ちょっと待てよおいこらっていうか、最初からSFファンタジーでやれよというか、現実世界とつながっていることをばらしてもなんらネタバレにすらならないので最初からそんなことしなければいいのに、と思うようなむかつくたぐいの奴。
素直に言うなら、この3作、榊一郎が考えた設定をずらずら読んでストーリーを追ったけどだから何さ? みたいな感じでした。
<廃棄王女>の設定とか好きだったんだけどねぇ。そういうオチかよ。それをばらしたらさすがに重いネタバレになるだろうけど、そんな事が吹っ飛ぶくらいに無茶苦茶に設定が入り乱れているので、読後感最悪でした。
オーフェンの終わりは好きだったんだけどなぁ。終わらせ方はまずくても、設定が無茶苦茶にふくらみつつあっても、人間の思考とかそういうのを出せていたから。
棄てぷりは、そういうのは出そうとしていたみたいですけど、失敗してます。だって霞んでるから。悲しいなぁ。わりと好きだったシリーズがこういう変貌を遂げていくのを見るのは。