『涼宮ハルヒの憂鬱』
『涼宮ハルヒの憂鬱』谷川流/角川スニーカー文庫/角川書店
ISBN:4044292019
いや、おもしろいよ?
なんかね、わりと前半にネタバレをしてしまって、ネタがわかっているくせに面白いというのは、ジュブナイルとして正しい姿だと思うんですよ。っていうか正しいだろ? 正しくあれよ。
ミステリ的な形式よっかかったジュブナイルというのは、ミステリのカテゴリでジュブナイルの要素を含んだものに負けるというのは黒雨の信念としてあって、ミステリというジャンルでないのにストーリーの構成にミステリ要素を安易に用いるせいで、話の中に出てきた謎がわかってしまったら面白くないというストーリー蔓延しすぎ。それ以外のジュブナイルは「萌え」系にカテゴライズされるような、ただ単にキャラに萌えられるかどうかが勝負なものでしかない。
ストーリーはどこへいった? という中、キャラ萌えとストーリー性が同居したこういった小説は黒雨が好むものでした。
この一巻があれば、二巻の評価はどうなるかというと、うーん、まぁ普通?
二巻の『溜息』は所詮キャラ萌えでしかないような気がする。