第03話:気の緩み、君湯飲み。

 私立A高校。
 そこに在籍する生徒は、中途半端なヤンキーかぶれ、中途半端なインテリくずれ、ヲタの三種類。
 これは、前置きに必要なことだと思うんだ。
 
 今日も、黒雨は授業をし続ける。授業自体に馴れてくると、余裕を持って「塾講モード」を発動することが出来るんだ。それくらいの自由さはあってもいいと思うんだ。どうかな?
 
 今日も、新しく担当するクラスがあって、自己紹介をしたんだ。
 いつも「今日から英語を担当する実習生の黒雨です。よろしくお願いします」以外、何も話さないのはまずいと思ったんだ。それくらいの機転を利かせるのは、間違っていなかったと思うんだ。どうかな?
 
 今日も、テンパっていたんだ。高校生の気持ちがわからないんだ。
 自己紹介の時に「何が知りたいのかわかんないから、何か質問があったら聞いてみてよ」と言ったんだ。そしたら「なんでそんなに元気なんですか?」と聞かれ、
「キャラ作ってんだよ」と答えてクラスを一瞬凍り付かせたことは、もうなかったことにしたいんだ。どうかな?
 
 今日も、実習生と色々話をしたんだ。
 でもね。話す内容が「Fate/Stay night」とか「LikeLife」とか、こんなところでもエロゲーを軸にしか話が出来ないなんて、黒雨は終わっていると思うんだ。どうかな?

 今日、思ったことは。結局、黒雨の高校時代の交友関係って「おともだち」ではなくヲタもだちでしかないし、今後も学校関係者と話が出来ても、内容はヲタ関係でしかないってことを気付かされたんだ。
 
 ……どうかな?