『カオスレギオン 聖戦魔軍篇』

カオスレギオン 聖戦魔軍篇』冲方丁富士見ファンタジア文庫富士見書房
  ISBN:4829114959
 これはいい富士見ファンタジア文庫ですね。
 物語がすでに終盤に向かっているところからスタートしていて、ストーリーの端々で過去にあったことを伏線としてほのめかすというか、当然の言葉として語っているのは、とても好印象。別にこれが後で語られるからでもなんでもなく、その場で必要な言葉だから述べられていく筆致には畏怖するしかない。
 これはいいファンタジーだね。なんか人間関係が生き生きしているよ。読んでいて楽しいよ。止まらなかったよ。思わず持ってきたカオスレギオン全部読んじゃうくらいだよね、今日中に。
 そもそも、これ一冊でカオスレギオンが収束しています。完結編。本当に完結編が提示されていて、次巻以降が発売されていることを知っていた黒雨は、一体どうなるんだろうと不思議に思い、ゾクゾクと読み進めたわけです。