『届かぬ想い』
『届かぬ想い』蘇部健一/講談社ノベルス/講談社
ISBN:4061823744
小説家を夢見ている小早川嗣利(こばやかわつぐとし)は、美しい妻と可愛い娘に囲まれて幸せに暮らしていた。だが、ある日娘が誘拐され行方不明となる。やがて、生まれた二人目の娘も不治の病に……。重なる悲劇に意気消沈する嗣利は、幸せな家庭を取り戻せる方法があると知る。愛する娘のため、それを試すが思いもよらない結末が!?(裏表紙あらすじより)
こういう風にあらすじとか書いておいた方がいいんですかね。あらすじも黒雨が書いた方がいいんですかね。更新ばっかりしておきながら、更新に時間が取れないんですよ。実家だと。
いや、それ以前に、この日記の方向性が、読書系なのか、日記サイト的なものなのかがはっきりしていないだけなんですけど。
それはそれとして、これ帯が変だよ。上にあげたあらすじだと「取り戻せる方法があると知る」ってぼかして書いてあるのに、帯には「時を越えられるなら、愛する人を助けますか?たとえ何が起ころうとも…」ってあるんです。別にあらすじで隠さなくてもいいじゃない。
内容は良かったですよ。普通に楽しめました。ごく普通に楽しみました。スイスイ読めました。あまり心に残りませんでした。
あれ。それって駄目なんじゃないのか?
なんというかですね。おもしろいんですが。もっと深く書けると思うんです。作品のバランスが難しくなるかもしれませんが、視点の切り替えを使っているのなら、それぞれの時点での女性の心情とか描けばもっと心に残るんじゃないかな、って。
途中まで、なんか淡い恋心的な感覚を味わいつつ読めるんですが、むしろそれって伏線だけで済ませて色々と書けると思ったんです。いや、黒雨の趣味でしか物を話してないんですけど。
確かにこれ以上詰め込みすぎると、伏線が見えにくくなってしまうから、長さとして丁度良かったんです。凄い取りづらいバランスを、上手く保ってるのはヒシヒシと感じました。
最後のシーンでのインパクトがもっとあれば、心に残ったかもしれない。今では、日常シーンの印象の方が強い。
ん? それも逆に凄いことじゃないか? 日常がインパクトに残ってるってそうそうないぞ?
書きながら考えているんでよくわかんなくなってきました。いいやもう。なんかよくわかんないけど読む価値はあるっていうことで。