『カオスレギオン02 魔天行進篇』
『カオスレギオン02 魔天行進篇』冲方丁/富士見ファンタジア文庫/富士見書房
ISBN:4829115785
行進するだけでも結構楽しめるよね。
というわけで読み終わりました。
なんというか、もう話の内容を知った時点で黒雨は冴木忍の『<卵王子>カイルロッドの苦難』シリーズを思い出しました。
いや、あったんですよ。似たような状況の話が。両方とも故郷を捨てて新天地へ向かう行軍を描くストーリーなんです。似たような話でも、差異があって楽しめます。
冴木忍は行軍する街の人々を、メインキャラクター達の視点から見ていく形がメインで、なかなかにいい出来です。
んで今回の『カオスレギオン』なんですが、どちらかというと策謀というかシュミレーションゲームをやるようなタイプですね。一応、行軍する人々の心理なんかを描こうとしていますが、どうしても駒としての感覚。
戦国武将になって天下統一するようなゲームやってる時に「民が一揆を起こしました」って表示される程度のものでしょうか。例えるなら。下手な例えだけど。
どちらかというと、今回の小説は読者に策略を通してシナリオ読ませていく感じっす。
だから行軍の人々の描写なんかは別に薄目でよかったんです。ただ、書く人違えば、そうバリエーション多くないような状況の物語でも自然と違う視点になってるんだなぁと重いながら、うつらうつら読み終わって、ほどよく楽しみました。
以前にも言ったように、『カオスレギオン』は富士見ファンタジアの最後の良心になるシリーズだと思ってますよ。