『返して★勇者さま!』

『デビッターズ 返して★勇者さま!』桑島ユウキ(桑島由一)/二次元ドリームノベルス/マイクロデザイン出版局(キルタイムコミュニケーション
  ISBN:4944000936
 
 なんつうか、まず色々解説することがあるよね。なのでそれからね。
 まず、この「桑島ユウキ」って、桑島由一です。デビュー当時はこの名前だったんです。まぁつまり、桑島由一のデビュー作を読みましたっていう事なんです。んで、この当時は「マイクロデザイン出版局」がこのレーベルを担当していたんですが、「マイクロマガジン社」がこのレーベルを担当するようになり、今現在では「キルタイムコミュニケーション」というマイクロマガジングループのひとつが二次元ドリームノベルズを出してます。
 あー、わかった? わからないですか? まぁそんなことはどうでもいいかもね。
 
 これを読むきっかけは、最近『学校を出よう!』を読破した後輩が、雀荘で会った時に「桑島由一のデビュー作を読んじゃって、とってもダメだった」とか言いながら黒雨に押しつけてきたことなんです。
 黒雨さんは後輩に慕われている模様です。
 けっ。
 
 まぁそこはそれで、そういうことにしておくとして、面子に溢れて『武装練金』を楽しく読んでいた黒雨に押しつけられた一冊のダメそうな装丁でダメそうなタイトルの書籍。正直、家に持ち帰りたくない。
 というわけで、その場で頑張って読むことにしました。ええっと。二日前の事です。
 その場で読み切りました。だって内容がないから。そんな押しつけられてしまうこの本の内容がどんなのかっていうと。
 
 勇者の血筋を引いたダメ人間が、借金を背負いながらぴかぴかに光る剣を買って、借金取りこと幼なじみの女に追われている。そんな中でモンスターに襲われた村の娘を助けて売り飛ばしてまた剣を買う。勇者がまぁなんとかぎりぎり助けるけどまた逃亡する。
 
 とまぁなんかやる気のないあらすじを思わず書いてしまったけど、そんな内容です。うん。なんていうか、あのね。
 だから、どうしたっていうんだ。
 っていうそんな話さ。ただエロく書けば小説なのか。それで成り立つレーベルなのか。ただしかし、黒雨は勃たなかったんですが、それは黒雨の趣向の問題なのか桑島由一のエロ描写の力量の問題なのか。
 ま、どうでもいいんですけどね。
 ようは「毒にも薬にもならないんですか?」と聞かれたら「毒にも薬にもならないけど害だよ」と答えるようなそんな一冊。
 読んだ時間を返せ。
 
 正直、『神様家族』の3巻以降とかを評価している人は読むべきではない。そもそも桑島由一という作家はシリーズの巻数を重ねた辺りで本領を発揮しだすスロースターターな作家だと個人的には思っているので、デビュー作は出来がいいはずがなかったんだ。
 そんな後悔。