『禁涙鏡事件』
『禁涙鏡事件』上遠野浩平/講談社ノベルス/講談社
ISBN:406182404X
これほどまでに惰性で読めるとは。惰性万歳。うーん、前作までは惰性といえども多少は楽しんで読んでたのに。今作、黒雨は読み終えたのは惰性以外の要素が何もなかった。
以前はまだ何か語り入ってたけれど、今回どちらかというとキャラクターに焦点が当たってしまっている気がする。そして、上遠野浩平の場合、キャラクターに魅力はないんじゃないかと思う。そのキャラクターがシナリオ上どう行動するかという情報が、キャラクター自身に刷り込まれるから、キャラクターが立ったように見えるという、見せかけだけのキャラクター精製に感じられるんだ。
なので、こういったキャラクターに焦点を当てる方がメインになってくるように(特に最後らへん)話は、上遠野浩平にある魅力を削いでしまうんじゃないのかなぁ、とうつらうつら思うわけです。