人間関係は過去から

 仕事で街中を歩いていると、ちょうど学校が終わる時間らしかった。
 黄色い帽子にランドセルを背負った子ども達が横断歩道に。赤黒黒と、色が並ぶ。
 黒いランドセルの子供二人が言う。
「今日は忙しいから帰るよ」
「僕もちょっと忙しいんだ」
 赤いランドセルの子供は、それを信じず、自分に付いてくるものだと信じて、ほら行くよと黒いランドセルの二人を急かして、横断歩道を渡り始めた。
 赤いランドセルの子供は、横断歩道を渡りきる。渡ったのが自分一人だったことに気付いて、振り返る。
 赤いランドセルの子供が、口を開いた。
 
「ちょっと、私を見捨てるつもり!?」
 
 赤いランドセルの子供は、こうやって、叫んでいたんだ。