背後の外国人
飯田橋から歩いて15分。江戸川橋と神楽坂の間に黒雨の家はあります。
飯田橋からてくてく歩いて不意に後ろを見たら、外国の方。スーツ姿の黒人男性がコンビニ袋を提げてゆらりゆらりと歩いてきます。
すっげぇ変なガラのネクタイで。
何あのカラフルでシックなネクタイ。パステル調の色彩で迷彩柄なんだけれど、パステル調の色彩の彩度がちょっと暗めに偏ってて暗闇の中それだけ浮かび上がってるの。
そしてゆらゆらと近寄ってくるわけですよ。
ひぃ
黒雨はすたすた歩いて距離を取ろうとすると、不意に後ろから口笛で音楽が流れ出す。
ひぃ
黒雨は普段、なかなか使われにくい裏路地を歩いているので、その道にすっと入るとまだ口笛は追ってくる。
ひぃ
何さ何さ、何なのさ。
そのコンビニ袋には何が入ってるのさ。
夢か? そこには夢が詰まってるのか? 希望? 最後に残ったのは希望です的な? パンドラ的なそれですか?
ちょっと急ぎ足で家に帰ったら軽く疲れました。
なんだったんだろう。霊?