『桐原家の人々1 恋愛遺伝学講座』
『桐原家の人々1 恋愛遺伝学講座』茅田砂湖/C*NOVELS/中央公論新社
ISBN:412500613X
素直におもしろいと言えます。元は角川ルビーだったんですね。中身のノリはたしかにそんな気もする。
んで、何がおもしろかったのか、と考えてみると、物語的なおもしろさは、実はまったくないと言う結論に達します。
最後に設定をずらずらと並べている部分が、この小説においてもっとも盛り上がる点です。それまでの部分で何があったかというと、その最後の設定に至るまでの伏線だったりミスリーディングだったり、そういったものなんですよね。
んで、最後の設定がやたら面白い。この設定が面白く感じるように、前半部分がしっかり作られている。だから、キャラクターが活き活きとしている。
それが全て。
舞台設定のみでここまでエンターテイメントを出せるのは、結構すごい筆力なんじゃないでしょうか。